看護研究の倫理的配慮

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 看護研究を行う上で、「対象」が存在します。研究を行う上で看護の提供を受ける相手がいる場合、その「受けて」に対して配慮を行わなければなりません。これが「倫理的配慮」といわれます。この倫理的配慮にはいくつかのポイントがありますので、以下に記します。

 

○研究を優先させてはならない

研究は、よりよい看護ケアを行うための一環であります。しかし「研究」することが目的ではないのです。あくまで「看護の質の向上」のためですから看護ケアの提供がおろそかになるようなことがあってはいけません。

 

○対象となる人々の安全・安楽を損なってはならない

「看護の質の向上」のために行うことが提供される人々にとって安全を保障されないものであれば、研究そのものの意味がありません。意義あるものにするためにも安全・安楽な状態を提供したうえでの研究の遂行にあります。

 

○十分な説明を行い、意思を尊重し、同意を得たうえで行うこと

「覆面調査」などの量的データーでは「十分な説明」がデーターに影響を及ぼすことも考えられますが、看護ケアを提供する上での研究である場合は、きちんと同意を得る必要があります。その際に「ケアを受ける側」は断りにくい心情にあることを十分に認識した上で説明を行う必要があります。研究への参加・途中経過を通して、随時、対象者の意思を尊重するように心がけましょう。

 

○看護研究は職務であって職務ではない

研究の目的は看護の質の向上です。ですからよりよいケアの提供に努めるのはもちろんです。しかしケアの提供とともに「研究のためのデーター収集」を行うことが目的です。情報収集の方法、個人情報、記録類の取り扱いは通常の職務内容と違います。そのことを認識したうえで対処しなくてはなりません。

 

これらの内容について「看護研究計画書」の中の「研究の対象」の項目において研究期間中を通してどのように倫理的配慮を行うかを記す必要があります。